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プロが教えるトタン屋根修理の知識|費用相場と失敗しない選び方

ご自宅のトタン屋根にサビや塗装の剥がれ、雨漏りのサインを見つけて不安になっていませんか?経年劣化は避けられませんが、適切な知識があれば、最適の修理方法を選び、大切なお住まいを長く守ることが可能です。

この記事では、屋根工事のプロが、トタン屋根の劣化症状の見分け方から具体的な修理方法、費用相場、そして最も重要な「失敗しない業者選び」まで解説します。

トタン屋根の劣化にお悩みなら、創業80年以上の実績を持つ私たち「いらか」にご相談ください。無料の現地調査とお見積もりで、お客様に最適な修理方法をご提案します。

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目次

トタン屋根修理の基礎知識|種類と特徴を解説

まず、トタン屋根の基本的な構造や種類、劣化のサインについて解説します。ご自宅の屋根を理解することが、適切な修理の第一歩です。

 

トタン屋根の基本構造と金属屋根との違い

トタンとは「亜鉛メッキ鋼板」のことで、鉄の板をサビ防止の亜鉛でコーティングした素材です 。傷がつくと亜鉛が鉄の身代わりとなって錆びる「犠牲防食作用」で本体を守りますが、メッキが剥がれると赤サビが発生し、穴あきにつながります 。

この弱点を克服したのが、現在主流の「ガルバリウム鋼板」です 。アルミと亜鉛でメッキされており、トタンの約3〜6倍の防錆性を誇ります 。修理の際は、より高耐久なガルバリウム鋼板へのリフォームが賢い選択となることが多いです。  

 

トタン屋根の種類とそれぞれの特徴を紹介

トタン屋根は主に3種類あり、形状によって弱点や修理方法が異なります。

  • 瓦棒葺き: 屋根の頂上から軒先へ等間隔に木材(心木)を設置し、その間にトタンをはめ込む工法です 。心木が腐食しやすく、強風で板金が剥がれる原因になることがあります 。  
  • 波板トタン: 波状に加工して強度を高めた、最も一般的なタイプです 。釘穴や波の谷部分からサビが発生しやすいです。  
  • 折板トタン: 大きな台形に折り曲げた非常に頑丈な屋根材で、主に工場や倉庫に用いられます 。  

 

トタン屋根の修理が必要になる主な症状・劣化のサイン

以下のようなサインは、専門家による点検を検討する時期の目安です。初期対応が費用を抑える鍵となります。

  • 色褪せ・チョーキング: 塗膜が劣化した最初のサイン 。  
  • 塗膜の剥がれ・膨れ: 保護機能が失われ、劣化が加速します 。  
  • サビの発生: 白サビから赤サビへ進行すると耐久性が著しく低下します 。  
  • 釘の浮き・抜け: 雨水が浸入し、強風で屋根が飛散する危険性が高まります 。  
  • 穴あき・腐食: 劣化の末期症状。塗装での補修は不可能です 。  
  • 雨漏り: 最も深刻な症状。下地まで腐食している可能性が高く、早急な修理が必要です 。  

 

修理かリフォームか?適切なタイミングと判断基準

部分修理で済むのか、全体リフォームが必要か。その判断基準となる原因や工法の違い、屋根の寿命について解説します。

 

トタン屋根修理が必要になるケースと原因

修理が必要になる主な原因は、紫外線や雨風による「経年劣化」です 。その他、台風の飛来物などによる「物理的破損」や、潮風による「塩害」なども劣化を早める要因となります 。原因を見極めることが、適切な修理方法の選択につながります。  

 

部分修理・補修と全体リフォーム(葺き替え・カバー工法)の違い

修理方法は劣化の程度に応じて選択します。

  • 部分修理・補修: 小さな穴や釘の浮きなどをピンポイントで直す応急処置です 。  
  • 塗装: 色褪せや軽微なサビの段階で行うメンテナンス。保護膜を再形成し寿命を延ばします 。  
  • カバー工法(重ね葺き): 既存屋根の上に新しい屋根材を被せる工法。下地が健全な場合に限り選択できます 。  
  • 葺き替え: 既存屋根を全て撤去し、下地から新しく作り直す最も確実な方法。雨漏りや下地の腐食がある場合に最適です 。  

修理方法

最適なケース

費用目安

耐久性

部分補修

小さな穴、限定的なサビ

短期

塗装

色褪せ、軽度のサビ

7〜10年

カバー工法

広範囲の表面劣化(下地が健全な場合)

長期

葺き替え

重度の劣化、雨漏り、下地の腐食

最高

最長

 

タン屋根の寿命・耐用年数とメンテナンス時期の目安

トタン屋根の寿命は一般的に10年〜20年ですが、環境やメンテナンス状況で大きく変わります 。7年〜10年でサビが発生しやすくなるため、その前に塗装を行うのが長持ちの秘訣です 。15年を過ぎると、カバー工法や葺き替えといった全体リフォームの検討が必要になります 。  

 

プロが教えるトタン屋根の修理方法と手順

ご自身でできる応急処置から専門的な工事まで、具体的な修理方法と手順を解説します。

 

応急処置としてできるDIY修理|テープ・シート・コーキングの活用法

DIYでの修理はあくまで一時的な応急処置であり、高所作業は非常に危険です。絶対に無理はしないでください 。  

  • 防水テープ: 小さな穴やひび割れに有効。補修箇所の汚れを落とし、乾燥させてから強く貼り付けます 。  
  • ブルーシート: 原因箇所が不明な場合に有効。土のうで飛ばないように固定します 。  
  • コーキング: 釘穴などを埋めます。水の通り道を塞いでしまうと状況を悪化させる危険性があります 。

 

トタン屋根の修理方法|釘・板金・塗装・重ね張り・部分交換の具体手順

専門業者が行う修理は、専門知識と技術が不可欠です。

  • 釘の補修: 浮いた釘を打ち直すか、コーキングを充填した上で太いビスに交換します 。  
  • 棟板金の交換: 強風で被害を受けやすい屋根の頂上部分。下地木材ごと交換し、新しい板金をステンレスビスで固定します 。  
  • 塗装: 品質は下地処理(ケレン)で決まります。サビや古い塗膜を徹底的に除去後、サビ止めを塗り、仕上げ塗料を2回重ね塗りします 。  
  • カバー工法: 既存屋根の上に防水シートと新しい屋根材を施工します 。  
  • 葺き替え: 既存屋根を全て撤去し、下地から作り直す最も確実な工事です 。  

 

修理・カバー工法・葺き替え等の工事別費用相場と価格の目安

30坪(屋根面積100㎡)住宅の場合の費用相場です。足場代(約15万円〜)が別途かかることが多いです 。  

  • 部分補修: 約3万円〜15万円  
  • 塗装工事: 約40万円〜70万円  
  • カバー工法: 約80万円〜150万円  
  • 葺き替え工事: 約100万円〜170万円以上  

※上記はあくまで目安です。正確な金額は必ず現地調査の上、見積もりを取得してください。

 

火災保険や補助金の申請活用で費用を抑えるポイント

高額な修理費用は、制度を活用して負担を軽減できる場合があります。

  • 火災保険: 「風災・雹災・雪災」といった自然災害による破損が対象です 。経年劣化は対象外なので注意が必要です 。  
  • 補助金: 自治体が省エネ(遮熱塗装など)や耐震(軽量屋根への葺き替えなど)を目的としたリフォームに補助金を出している場合があります 。工事前の申請が必須なことが多いため、お住まいの自治体にご確認ください。  

 

私たち「いらか」のトタン屋根リフォーム事例

【事例1】物置のトタン屋根葺き替え工事(平塚市)

  • お客様の状況: 築45年の物置の屋根で、固定している釘が浮き、全体的に錆が進行していました。放置すれば穴があき、雨漏りにつながる危険性がある状態でした。
  • ご提案・工事内容: 今後の安心のため、既存の波板トタンを一度すべて撤去し、新しい波板で屋根全体を葺き替える工事をご提案しました。工事の際には下地の補強も併せて行い、強度を確保しました。
  • 結果: 新しい屋根材に葺き替えたことで、雨漏りの心配がなくなり、安心して物置をお使いいただけるようになりました。

▼この事例の詳細はこちら
https://www.iraka-yane.com/2024/092609090215163.html

 

【事例2】雨漏りしていたトタン屋根の葺き替え工事(平塚市)

  • お客様の状況: 雨漏りにお悩みでした。既存の屋根は「瓦棒葺き」という工法で、経年劣化により心木(屋根の骨組みとなる木材)が腐食し、雨水の浸入が起きていました。
  • ご提案・工事内容: 雨漏りを根本から解決するため、既存のトタン屋根を全て撤去し、下地から新しく作り直す「葺き替え工事」をご提案しました。新しい屋根材には、耐久性が高く、現在主流となっている「ガルバリウム鋼板」を使用し、「立平葺き」という工法で施工しました。
  • 結果: 雨漏りの心配がなくなり、安心してお過ごしいただけるようになりました。お客様が選ばれた深めのグリーンの屋根が、お住まいの素敵なアクセントになっています。

▼この事例の詳細はこちら
https://www.iraka-yane.com/2024/080808455113543.html

 

失敗しないトタン屋根修理業者の選び方と注意点

業者選びは修理の成否を左右します。信頼できる業者を見極めるポイントと、悪質業者を避ける対策を解説します。

 

業者選びの基準|口コミ・実績・無料見積もりで安心確認

以下の点を総合的にチェックし、信頼できる業者を選びましょう。

  • 地域密着で実績が豊富か: 地元で長く営業している業者は信頼性が高いです 。  
  • 屋根工事の専門家か: 「建築板金」などを専門とし、資格を持つ職人がいるか確認しましょう 。  
  • 施工事例が公開されているか: 過去の事例、特に類似ケースの実績を確認します 。  
  • 現地調査と説明が丁寧か: 写真などを用いて分かりやすく現状を説明し、リスクも正直に伝えてくれる業者は誠実です 。  
  • 見積書の内容が詳細か: 「工事一式」ではなく、項目ごとに単価や数量が明記されているか確認しましょう 。  

 

悪質業者やトラブル事例から学ぶリスク対策

突然の訪問業者には注意が必要です。以下のような手口が典型的です。

  • 「近くで工事をしていたら屋根の剥がれが見えた」と不安を煽る 。  
  • 「無料で点検します」と屋根に上がり、わざと屋根を壊す 。  
  • 「今日契約すれば大幅値引き」と契約を急かす 。  
  • 「火災保険を使えば無料」と虚偽の説明をする 。  

その場で決断せず、「家族に相談します」などと言って一度断ることが最も効果的な防衛策です 。  

 

電話や現地調査前に準備すべきことと見積もり比較のコツ

スムーズな見積もりのために、築年数や過去の修繕履歴、気になっている症状などをまとめておきましょう 。見積もりは必ず2〜3社から取り(相見積もり)、総額だけでなく、工事項目や面積、単価などを細かく比較します 。安さだけで選ぶと手抜き工事につながる危険性があるため注意が必要です 。  

 

安全・安心のために知っておきたいトタン屋根修理の注意点とまとめ

最後に、DIYの危険性と修理後のメンテナンスについてまとめます。正しい知識で安全な住まいを維持しましょう。

 

自分で修理する際の危険性と安全対策

屋根の上での作業は、プロでも毎年多くの転落事故が起きるほど危険です 。高さ2m以上の作業には足場の設置が法律で義務付けられています 。

また、専門知識がないまま修理を行うと、水の逃げ道を塞いでしまい、かえって雨漏りを悪化させる危険性もあります 。DIYは地上から手の届く範囲の応急処置に留め、本格的な修理は必ず専門業者に依頼してください。  

 

修理後のメンテナンス・点検・長持ちさせるコツ

修理後も定期的なメンテナンスで屋根の寿命を延ばせます。年に1〜2回、屋根や雨樋の落ち葉などを清掃し、水はけを良く保ちましょう 。また、サビが発生する前に計画的に再塗装を行うことが、トタン屋根を長持ちさせる最大の秘訣です 。  

 

最適な修理方法と業者選びで安心のトタン屋根修理へ

トタン屋根の修理は、劣化のサインを早期に発見し、症状に合った適切な方法(塗装、カバー工法、葺き替え)を選ぶことが重要です。

そして何より、信頼できる専門業者をパートナーに選ぶことが、修理の成功を左右します。正しい知識と信頼できる業者選びで、大切な住まいを末永く守りましょう。

トタン屋根の点検、修理、リフォームのご相談は長年の実績を誇る屋根の専門家、私たち「いらか」にぜひお任せください。お電話一本で、お客様の不安に寄り添い、最適な解決策をご提案いたします。

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この記事を書いた人

成田 崇

  • 瓦ぶき2級技能士
  • 瓦屋根工事技士
  • 瓦屋根診断技士

【趣味】サーフィン・山登り・バックカントリースキー・読書・旅行

〇かわらぶき2級技能士とは?

瓦屋根工事に必要な知識と施工技術を備えていることを証する資格で、瓦職人にとって欠かせない国家資格です。 試験は学科試験と実技試験で構成されており、実技試験では実際に一文字軒瓦または万十軒瓦を使った瓦葺き作業を行い受験者の施工レベルを審査します。

〇瓦屋根工事技士とは?

国土交通大臣が認定する資格で屋根工事に従事する者として必要な瓦屋根についての適正な知識を備えていることを証する資格です。 この資格取得では屋根の施工に関する知識はもちろんのこと、建築に関わる知識、安全に関する知識、法規等、さまざまな知識が求められます。

〇瓦屋根診断技士とは?

国交省所管の公益法人(社)全日本瓦工事業連盟(全瓦連)が高い技術、技能を持つ工事技術者に対してのみ与える資格です。 この資格の取得条件はかわらぶき技能士と瓦屋根工事技士の両方の資格を備えた者となっており、国内の瓦屋根工事技術者における最上位資格といえます。