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新築時に軽んじられている屋根の選択|平塚・株式会社いらか|屋根専門

新築時に軽んじられている屋根の選択

屋根を意識する人は少ない

新築住宅を建てるとき、
屋根について真剣に検討される方はどれほどいるでしょうか。
おそらくほとんどの方は
「営業担当者に勧められるまま」「標準仕様のまま」で選んでいるのが現実です。

理由はシンプルです。
屋根は外から見えにくく、
デザインや設備のように「日常的に目に入る部分」ではないため、
優先順位が下がってしまうのです。
さらに「屋根材による差が生活にどう影響するのか」が実感しにくいため、
価格や見た目だけで判断されがちです。

しかし、
家を長く安心して使うためにこそ、
屋根の選択はとても重要な要素となります。

スレート屋根の現実

現在、
新築住宅の多くで採用されているのがスレート屋根です。
ハウスメーカーの営業担当者に勧められるまま、
特に疑問を持たずに選ぶケースが大半です。

スレートはセメントを主成分とした厚さ5.5mmほどの屋根材で、
軽量かつ施工が容易であることから普及しました。
しかし、
その反面「割れやすく脆い」という弱点を抱えています。
紫外線や風雨による劣化も避けられず、
年月とともにメンテナンスが不可欠となります。

劣化が進めば「葺き替え」や「カバー工法」といった大規模修繕が必要になり、
その費用は150万円から300万円程度が一般的です。

将来の大きな修繕コスト

新築時には屋根にあまり意識が向かないため、
つい「標準仕様=スレート」で済ませてしまいがちです。
確かに初期費用は安く済みますが、20年〜30年後には高額な修繕工事がほぼ必ず待っています。

一方で、
新築時に金属屋根や瓦屋根といった耐久性の高い屋根材を選んだ場合、
初期費用は30万〜50万円程度上がるかもしれません。

しかしその選択によって、
将来的に数百万円規模の修繕工事を回避できる可能性があります。

つまり、
「安い屋根を選んだつもりが、長期的には最も高くつく」という逆転現象が起こっているのです。

設備と屋根の違い

住宅の中の設備や内装に関しては、
選択を誤っても数十万円〜100万円程度の差で済むことが多いでしょう。

しかし屋根材の選択ひとつで、
20年後・30年後に300万円もの差が生じることがあります。

これは他の設備にはない大きな特徴であり、
「屋根選びは家の生涯コストを大きく左右する要素」だと言えます。

まとめ:新築時こそ屋根を真剣に

家を長く住み続けることを考えるのであれば、
スレート屋根は決して「安くてお得な屋根」ではありません。
むしろ、長期的に見れば最もコストがかかる選択肢と言えます。

新築時にわずか数十万円の追加費用をかけて、
耐久性の高い屋根材を選ぶことで、
20年後・30年後に数百万円の修繕を避けられる可能性があります。

屋根は普段あまり目にすることがないため、
軽んじられがちな存在です。

ですが、家を守る最前線であり、
暮らしの安心とコストに直結する部分でもあります。

ぜひ新築住宅を建てる際には、
デザインや間取り、設備だけでなく「屋根材の選択」にも目を向け、
長期的な視点で最適な選択をしていただきたいと思います。


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この記事を書いた人

成田 崇

  • 瓦ぶき2級技能士
  • 瓦屋根工事技士
  • 瓦屋根診断技士

【趣味】サーフィン・山登り・バックカントリースキー・読書・旅行

〇かわらぶき2級技能士とは?

瓦屋根工事に必要な知識と施工技術を備えていることを証する資格で、瓦職人にとって欠かせない国家資格です。 試験は学科試験と実技試験で構成されており、実技試験では実際に一文字軒瓦または万十軒瓦を使った瓦葺き作業を行い受験者の施工レベルを審査します。

〇瓦屋根工事技士とは?

国土交通大臣が認定する資格で屋根工事に従事する者として必要な瓦屋根についての適正な知識を備えていることを証する資格です。 この資格取得では屋根の施工に関する知識はもちろんのこと、建築に関わる知識、安全に関する知識、法規等、さまざまな知識が求められます。

〇瓦屋根診断技士とは?

国交省所管の公益法人(社)全日本瓦工事業連盟(全瓦連)が高い技術、技能を持つ工事技術者に対してのみ与える資格です。 この資格の取得条件はかわらぶき技能士と瓦屋根工事技士の両方の資格を備えた者となっており、国内の瓦屋根工事技術者における最上位資格といえます。