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新築で選ぶべき屋根材は?|平塚・株式会社いらか|屋根専門

新築で選ぶべき屋根材は?

「新築住宅を建てるなら、どの屋根材が一番良いですか?」

お客様からそう尋ねられたとき、
私が即答するのは
その中でも特に平板瓦(へいばんがわら)です。

瓦というと、
昔ながらの和風住宅に使われている「和瓦」を思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし近年主流になっているのは、
シンプルでモダンなデザインの平板瓦です。
洋風住宅や現代的なデザイン住宅にも違和感なく馴染み、実用性と美観を兼ね備えた屋根材として高い評価を得ています。

では、なぜ平板瓦が「最強」と言えるのでしょうか。

瓦の大きな強み:耐久性

まず何よりも瓦の強みは圧倒的な耐久性にあります。
スレートや金属屋根が20〜30年程度で葺き替えやカバー工法を必要とするのに対し、
瓦は50年、場合によっては100年近く使えるケースも少なくありません。

瓦自体は粘土を高温で焼き上げて作られるため、
紫外線や雨風による劣化がほとんどなく、
色あせや錆びの心配もありません。
メンテナンス費用がほとんどかからない点は、長期的に見れば非常に大きなメリットです。

平板瓦のメリット①:施工性とコスト

「瓦は高い」と思われがちですが、
平板瓦については必ずしもそうではありません。
和瓦は縦方向に一枚一枚葺いていく必要があり、
熟練した職人の技術が求められます。これが工期や施工費を押し上げる要因でした。

一方、平板瓦は横方向に施工する「横葺き」が基本で、
スレートや金属屋根と同じような感覚で工事ができます。
そのため施工できる職人の数も多く、
ハウスメーカーでも標準仕様として採用されるほど普及しています。
結果として、施工費用は想像ほど高額にならず、他の屋根材と比較しても十分競争力があります。

平板瓦のメリット②:断熱性・遮音性

瓦のもう一つの強みは断熱性と遮音性です。
瓦屋根は、
ルーフィング(防水シート)と瓦の間に「桟木(さんぎ)」という部材を設け、
瓦を少し浮かせて施工します。
この空間が自然な「空気層」となり、
夏の暑さや冬の寒さをやわらげ、さらに雨音を吸収する役割を果たします。

スレートや金属屋根にはない、
この独特の空気層こそが、瓦屋根特有の快適さを生み出しているのです。

平板瓦のメリット③:デザイン性と普及性

平板瓦はシンプルでフラットな形状をしており、
現代建築に非常にマッチします。
洋風住宅にもモダンな和風住宅にも調和し、
「瓦=古い」というイメージを払拭しました。
カラーバリエーションも豊富で、外壁や街並みに合わせて選べるのも魅力です。

また、普及が進んだことで対応できる職人も多く、
施工体制が安定しているのも大きな強みです。

日本の風土に最適な屋根材

瓦はもともと日本の気候風土に合わせて発展してきた屋根材です。
高温多湿で雨が多く、
台風や地震といった自然災害も多い日本において、
耐久性・遮音性・断熱性を兼ね備えた瓦は、非常に合理的な選択肢と言えます。

とりわけ平板瓦は「日本の伝統」と「現代建築」の両方に対応できる屋根材として、
これからますます存在感を増していくでしょう。

まとめ:平板瓦最強説

スレートや金属屋根と比べても、平板瓦は…

  • 長期的な耐久性に優れている
  • 断熱・遮音性が高く快適
  • 施工しやすく普及しており、価格も思ったほど高くない
  • デザイン性も高く、現代住宅に調和する

これらの理由から、
総合的に見て最もバランスの取れた屋根材だと考えています。

もし日本全国の住宅がすべて平板瓦になってしまったら、
屋根の修繕需要は大きく減ってしまうかもしれません。
それほどまでに耐久性と安心感に優れた屋根材――それが「平板瓦」なのです。


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この記事を書いた人

成田 崇

  • 瓦ぶき2級技能士
  • 瓦屋根工事技士
  • 瓦屋根診断技士

【趣味】サーフィン・山登り・バックカントリースキー・読書・旅行

〇かわらぶき2級技能士とは?

瓦屋根工事に必要な知識と施工技術を備えていることを証する資格で、瓦職人にとって欠かせない国家資格です。 試験は学科試験と実技試験で構成されており、実技試験では実際に一文字軒瓦または万十軒瓦を使った瓦葺き作業を行い受験者の施工レベルを審査します。

〇瓦屋根工事技士とは?

国土交通大臣が認定する資格で屋根工事に従事する者として必要な瓦屋根についての適正な知識を備えていることを証する資格です。 この資格取得では屋根の施工に関する知識はもちろんのこと、建築に関わる知識、安全に関する知識、法規等、さまざまな知識が求められます。

〇瓦屋根診断技士とは?

国交省所管の公益法人(社)全日本瓦工事業連盟(全瓦連)が高い技術、技能を持つ工事技術者に対してのみ与える資格です。 この資格の取得条件はかわらぶき技能士と瓦屋根工事技士の両方の資格を備えた者となっており、国内の瓦屋根工事技術者における最上位資格といえます。