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屋根修理詐欺の実態!被害事例や対策などを徹底解説

突然の訪問業者に「このままでは屋根が危ないですよ」と不安を煽られた経験はありませんか?

屋根の修理は専門性が高く、費用も高額になるため、残念ながら悪質な詐欺業者が後を絶たないのが実情です。

この記事では、大切な住まいと資産を守るため、屋根修理詐欺の具体的な手口、実際のだまされた被害事例、そしてあなた自身でできる対策と相談先まで、網羅的に解説します。

結論から言うと、屋根修理詐欺から身を守る最強の武器は、「その場で決めない」という冷静さと、「正しい知識」です。 この記事を最後まで読めば、悪徳業者の巧妙なトークを見抜き、本当に信頼できる業者を選ぶための確かな判断基準が身につきます。

もし、少しでもご自宅の屋根に不安を感じたら… 。私たち「いらか」は地域に根ざして活動する屋根工事の専門家です。お気軽にお問い合わせください。

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屋根修理詐欺とは?増加する被害とその実態を解説

まずは、屋根修理詐欺がどのようなものなのか、その全体像を把握することから始めましょう。敵の手口を知ることが、防御の第一歩です。

 

屋根修理詐欺の基本構造とよくある手口

屋根修理詐欺とは、実際には必要のない、あるいは相場より遥かに高額な屋根工事を、消費者の不安を煽って契約させる悪質な商法です。多くの場合、「たまたま近くを通りかかった」「無料で点検します」と突然訪問してくるのが特徴です。

彼らは、屋根に登ってわざと瓦をずらしたり、事前に用意した偽の破損写真を見せたりして、「このままでは大変なことになる」と危機感を植え付け、冷静な判断を奪ってその日のうちに契約を迫ります。

 

屋根修理詐欺が増加する背景と社会的ニュース事例

近年、台風や地震などの自然災害の増加に伴い、屋根修理詐欺の被害が急増しています。災害後は、被災者の「早く直したい」という心理につけ込む業者が特に活発化するため、注意が必要です。

実際に、独立行政法人国民生活センターに寄せられる「訪問販売によるリフォーム工事」の相談件数は、毎年1万件近くにのぼり、その中でも屋根工事に関するトラブルは非常に多く報告されています。ニュースでも、高齢者を中心に数百万円もの被害に遭った事例が度々報道されており、社会問題化しています。

出典:国民生活センター「訪問販売によるリフォーム工事・点検商法」

 

リフォーム詐欺・点検商法との違いと共通点

屋根修理詐欺は、より大きな枠組みである「リフォーム詐欺」の一種です。その中でも、特にきっかけとして多用されるのが「点検商法」と呼ばれる手口です。

「点検商法」とは、「無料で点検します」と訪問し、実際には問題ない箇所を「劣化している」と偽って不安を煽り、高額な契約を結ばせる商法を指します。屋根は住人からは直接見えにくいため、この点検商法の格好のターゲットになりやすいのです。

 

屋根修理詐欺のよくある手口と詐欺業者の見分け方

悪徳業者は、私たちの知識のなさと不安につけ込んできます。ここでは、彼らが使う常套句や資料を具体的に知り、確実に見抜くためのポイントを解説します。

 

無料点検を装った訪問・電話営業のトーク例

  • 「近所で工事をしておりまして、ご挨拶に伺いました。お宅の屋根、少し剥がれているのが見えましたので、無料で点検しましょうか?」 → 親切を装い、屋根に上がる口実を作る典型的なトークです。
  • 「台風で被害を受けた地域なので、行政からの委託で回っています」 → 公的機関と関係があるかのように装い、信用させようとします。
  • 「火災保険を使えば、自己負担ゼロで修理できますよ」 → 保険が必ず適用されるかのように話し、申請代行を持ちかけて契約を迫ります。

 

信頼できない見積もり・高額な提案に注意

  • 「工事一式 〇〇円」 → 最も危険な見積書です。足場代、材料費、人件費など、何にいくらかかるのか全く分かりません。
  • 塗料名が「オリジナル最高級塗料」などと曖昧 → どこのメーカーの何という製品か記載がない場合、安価な塗料でごまかされる可能性があります。
  • 異常に安い、または高い単価 → 相場からかけ離れた金額が提示された場合、その根拠を必ず問い詰めましょう。

 

詐欺業者が使う不安をあおるトーク・資料の手口

  • わざと壊した屋根の写真を見せる → 点検と称して屋根に上がり、わざと瓦を割ったりずらしたりして、その写真を「これが現状です」と見せてきます。
  • 他の家の深刻な被害写真を見せる → 全く関係のない家の雨漏りや腐食した下地の写真を見せ、「あなたのお宅もこうなりますよ」と恐怖心を植え付けます。
  • 専門用語を多用した報告書 → 素人には理解できない専門用語を並べた報告書を提示し、「専門家が言うのだから間違いない」と思い込ませます。

 

近所や外壁にも及ぶ被害拡大のケース

「屋根だけでなく、外壁にもひび割れがありますね。一緒にやった方が足場代が一度で済むのでお得ですよ」と、次々に工事範囲を拡大させようとするケースも多く見られます。

もちろん、同時にメンテナンスを行う方が効率的なのは事実です。しかし、悪徳業者の場合、それぞれの工事が本当に必要なのか、提示された価格が適正なのかを判断する材料を与えず、「お得感」だけで契約を迫るため、結果的に不要な高額工事に繋がってしまいます。

 

屋根修理詐欺に遭わないための対策と断り方

知識を身につけ、冷静に対応すれば、屋根修理詐欺の被害は防げます。ここでは、具体的な対策と、いざという時の断り方を解説します。

 

訪問販売や電話営業への正しい対応方法

  • その場で絶対に契約しない →「家族と相談しないと決められません」「複数の会社から話を聞いてから検討します」と伝え、必ず一度持ち帰りましょう。
  • 安易に屋根に上がらせない →「点検」と称して屋根に上がり、わざと家を壊す手口があります。「まずは会社の名刺と資料をいただけますか」と伝え、身元がはっきりしない限りは絶対に応じないでください。
  • 毅然とした態度で断る →「結構です」「必要ありません」と、はっきりと断る勇気を持ちましょう。曖昧な態度は、さらなる勧誘の隙を与えてしまいます。

 

屋根修理の見積もり・契約時に必要なチェックポイント

3社以上から相見積もりを取っているか

見積書に工事内容(工程)、使用材料(メーカー・製品名)、数量、単価が詳細に記載されているか

担当者は、メリットだけでなくデメリットも正直に説明してくれるか

保証の内容と期間が、書面で明確に提示されているか

会社の所在地が明確で、地域での施工実績が豊富か

 

クーリングオフや契約書で対抗する方法

訪問販売で契約してしまった場合でも、契約書面を受け取った日から8日以内であれば、無条件で契約を解除できる「クーリング・オフ制度」を利用できます。

契約書にクーリング・オフに関する記載がなかったり、業者が「クーリング・オフはできない」と嘘の説明をしたりした場合は、8日を過ぎていても解除できる可能性があります。諦めずに、後述する消費者センターなどに相談してください。

 

安心できる業者選びの判断基準と信頼の見極め方

  • 地域に根ざして長年営業しているか → ずさんな工事をする業者は、同じ場所で長く営業を続けることはできません。
  • 建設業許可や関連資格を保有しているか → 専門的な知識と技術を持つ証明になります。
  • 代表者の顔や理念がWebサイトに掲載されているか → 仕事に対する誠実さや責任感の表れです。
  • あなたの質問に対し、専門用語を使わずに丁寧に答えてくれるか → 顧客に寄り添う姿勢があるかの判断基準になります。

 

もし被害にあったら?警察・消費者センターへの相談手順

万が一、悪徳業者と契約してしまった、またはトラブルに巻き込まれてしまった場合でも、一人で悩まないでください。公的な相談窓口があなたの味方になってくれます。

 

詐欺被害を最小限に抑える初動対応

  • それ以上お金を払わない → 工事が途中でも、追加の支払いを求められても、絶対に応じないでください。
  • 全ての書類を保管する → 契約書、見積書、パンフレット、名刺など、業者とのやり取りで受け取った書類は全て保管してください。
  • やり取りを記録する → いつ、誰が来て、何を言ったか、どんな工事をしたかなど、時系列で詳細に記録(メモや録音)しておきましょう。

 

警察・国民生活センターへの相談窓口と資料準備

相談する際は、準備した「書類」と「記録」を持参すると、話がスムーズに進みます。

 

屋根修理業者と今後関わる場合の注意点

一度トラブルになった業者と、個人で交渉を続けるのは精神的な負担が非常に大きいです。基本的には、消費者センターや弁護士といった第三者を介してコミュニケーションを取ることを強く推奨します。

直接の連絡は避け、全てのやり取りを書面(内容証明郵便など)で行うなど、記録に残すことを徹底してください。

 

まとめ|屋根修理詐欺に負けない!消費者を守るためにできること

屋根修理詐欺は、私たちの「住まいへの不安」という気持ちにつけ込む、非常に悪質な犯罪です。しかし、その手口のほとんどはパターン化されており、正しい知識を持つことで被害は未然に防げます。

重要なのは、「その場で決めない」「すぐに屋根に上がらせない」「必ず複数の業者を比較する」という3つの鉄則です。

この記事で解説した見分け方や対策を参考に、悪徳業者を冷静に見抜き、あなたの家を安心して任せられる、誠実なパートナーを見つけてください。

「うちの屋根は大丈夫?」少しでも不安になったら、まずは専門家にご相談を。

私たち「いらか」は地域の皆様の屋根を守ってきた専門家集団です。

まずは、あなたの家の屋根が本当に修理が必要な状態なのか、客観的な事実を知ることから始めませんか?

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この記事を書いた人

成田 崇

  • 瓦ぶき2級技能士
  • 瓦屋根工事技士
  • 瓦屋根診断技士

【趣味】サーフィン・山登り・バックカントリースキー・読書・旅行

〇かわらぶき2級技能士とは?

瓦屋根工事に必要な知識と施工技術を備えていることを証する資格で、瓦職人にとって欠かせない国家資格です。 試験は学科試験と実技試験で構成されており、実技試験では実際に一文字軒瓦または万十軒瓦を使った瓦葺き作業を行い受験者の施工レベルを審査します。

〇瓦屋根工事技士とは?

国土交通大臣が認定する資格で屋根工事に従事する者として必要な瓦屋根についての適正な知識を備えていることを証する資格です。 この資格取得では屋根の施工に関する知識はもちろんのこと、建築に関わる知識、安全に関する知識、法規等、さまざまな知識が求められます。

〇瓦屋根診断技士とは?

国交省所管の公益法人(社)全日本瓦工事業連盟(全瓦連)が高い技術、技能を持つ工事技術者に対してのみ与える資格です。 この資格の取得条件はかわらぶき技能士と瓦屋根工事技士の両方の資格を備えた者となっており、国内の瓦屋根工事技術者における最上位資格といえます。