築20年住宅|屋根カバー工法・外壁塗装・木製バルコニー補修工事
⸻
ご相談内容
築20年(2005年築)の戸建住宅にお住まいのお客様より、
屋根・外壁・バルコニーのメンテナンスについてご相談をいただきました。
• 屋根の割れが気になり、補修またはカバー工法を検討している
• 外壁の劣化が気になり、塗装も検討したい
• 木製バルコニーの傷みもあり、補修や塗装が可能か知りたい
• インターネット検索をきっかけに問い合わせ
• 複数社で相見積もりを取って検討中
奥様が主に情報収集をされ、ご主人様は「信頼できる業者かどうか」を重視されている印象でした。
⸻
既存屋根は、ノンアスベスト初期に多く使用された「コロニアルNEO」でした。
素材自体が割れやすく、
塗装による延命が難しい屋根材のため、
防水性能を根本から回復できるカバー工法をご提案しました。
そもそも、なぜコロニアルNEOが生まれたのか
1990年代後半〜2000年代初頭、
建築業界では アスベスト規制 が一気に進みました。
それまでの化粧スレートは、
• アスベストを混ぜることで
• 薄くても「割れにくい」「粘りのある」材料
として成立していました。
しかし規制により、
👉 「アスベストを使わず、同じ形・同じ工法で作る」
という無理が生じます。
その結果として登場したのが
**コロニアルNEO(ノンアスベスト初期型スレート)**です。
⸻
技術的に何が問題だったのか
コロニアルNEOは、
• 見た目
• 施工方法
• 重さ
は従来品とほぼ同じでした。
しかし 中身(素材の配合)が大きく変わった ことで、次の弱点を抱えることになります。
① 曲げ・衝撃に極端に弱い
• 人が踏む
• 風でわずかに動く
• 温度変化で伸縮する
これだけで 微細なクラック(ひび割れ) が発生します。
② 水を吸いやすい
素材が脆いため、
• 表面塗膜が劣化すると
• 水を吸い込み
• 乾燥と膨張を繰り返す
👉 これが 反り・欠け・崩れ の原因になります。
⸻
なぜ「築10年では分からず、20年で一気に来る」のか
コロニアルNEOの怖い点は、
最初の10年くらいは普通に見える ことです。
しかし、
• 表面塗膜の寿命(約10〜12年)を超えると
• 屋根材そのものが雨水・紫外線を直接受ける
• 一気に劣化スピードが上がる
そのため築15〜20年頃に、
• 急に割れが増える
• 修理依頼が集中する
• 「昨日まで何ともなかったのに」と感じる
という現象が起こります。
⸻
なぜ塗装が「根本解決にならない」のか
よくある誤解が
「割れてるけど、塗れば固まるんじゃないか?」 という考えです。
しかし実際は、
• 塗料は“膜”を作るだけ
• 屋根材そのものの強度は回復しない
• 内部クラックは塗装後も進行する
結果として、
見た目は一時的にきれい
でも数年で再び割れ・欠けが発生
というケースが非常に多くなります。
👉 これが
「コロニアルNEOは塗装NG」と言われる理由です。
⸻
雨漏りが起きるメカニズム(重要)
コロニアルNEO自体は薄いため、
1. 割れ・欠けが起きる
2. 雨水が屋根材下へ回る
3. ルーフィング(防水層)に集中して負荷がかかる
4. 防水層の寿命が一気に縮む
という流れになります。
つまり雨漏りは、
• 屋根材の割れ「だけ」が原因ではなく
• 防水層を壊す“引き金” になっているのです。
現場的に「正解」と言える対処法
◎ カバー工法(最も多い選択)
•既存コロニアルNEOは撤去しない
•新しいルーフィングを全面施工
•金属屋根などで覆う
👉 割れやすい屋根材を「下地扱い」にできるため、理にかなっている
◎ 葺き替え
•すでに雨漏りしている
•下地が腐っている
👉 コストは上がるが完全リセット
コロニアルNEOの問題は
「メンテナンス不足」ではありません。
👉 屋根材そのものの世代的な限界です。
だからこそ、
•早めに正しい判断をするか
•何度も無駄な修理を繰り返すか
で、将来の総コストが大きく変わります。
コロニアルNEOは、
ノンアスベスト移行期に多く採用された屋根材で、
築15〜20年を超えると割れやすさが一気に表面化します。
塗装による延命が難しいため、
今回は防水層を新しくできるカバー工法を選択しました。

スウェーデンハウスとは?
スウェーデンハウスとは、
北欧・スウェーデンの住宅思想をもとにした、高断熱・高気密の木造住宅を提供するハウスメーカーです。
日本の気候に合わせて改良されていますが、
**「木を活かした家づくり」**という点が大きな特徴です。
スウェーデンハウスの主な特徴
① 断熱性・気密性が高い
寒冷地スウェーデンの住宅思想をベースにしているため、
•冬は暖かく
•夏は外気の影響を受けにくい
一年を通して室内環境が安定しやすい構造になっています。
現地調査で分かったこと
現地調査を行った結果、以下の点を確認しました。
• 屋根材に割れが見られ、将来的な雨漏りリスクがある状態
• 下地に大きな傷みはなく、カバー工法(重ね葺き)が可能
• 外壁には**チョーキング(白亜化現象)**が発生
チョーキングは「白亜化現象」とも呼ばれ、
外壁を手で触った際にチョークの様な粉が付く現象などを差します。
これは主に塗料内部の成分が劣化し、一部の成分が表面に露出することで起こります。劣化が発生するとチョーキングも発生するため劣化を示すサインとして目安にされることがあります。
• 木部(破風・バルコニー・玄関まわり)は、前回同様の木部保護塗料での再塗装が適している状態
外壁全体の塗装は「必須ではないが、今後を考えると同時施工が合理的」というご説明を行いました。
ご提案内容と工事の方針
相見積もりの状況も踏まえ、
ご予算・優先順位・将来のメンテナンス性を整理しながらご提案を行いました。
主な工事内容
• 屋根:カバー工法(重ね葺き工事)
• 外壁:塗装工事
• 木部(玄関・バルコニー):木部保護塗料による塗装
• バルコニー:必要箇所の補修および再塗装
他社の提案内容では換気棟の説明が不十分だった点に不安を感じたとのことで、
工事内容・理由を一つひとつ説明した点が、信頼につながりました。



T・ルーフモダンとは、
LIXIL(リクシル)が提供する天然石粒仕上げの軽量鋼板屋根材で、タイルやスレートのようなモダンで立体的なデザインが特徴です。
ガルバリウム鋼板に天然石を吹き付けており、
塗装メンテナンスが不要で、
軽量性・耐久性・遮音性・耐震性(カバー工法対応)に優れ、現代的な住宅に合う人気の屋根材です。

工事は大きなトラブルもなく進行し、
足場解体後の最終確認・完了検査まで実施しています。
• 屋根・外壁ともに施工は問題なく完了
• 木製バルコニーも見た目・保護性能ともに改善
• 工事後の確認・書類対応まで丁寧に対応
お引き渡し後には、完工金の確認およびお礼のお手紙もお送りしています。
⸻

⸻
今回の工事でお伝えしたポイント
① 屋根は「割れてから」ではなく「割れ始め」での対応が重要
屋根材の割れは、雨漏りが起きる前の重要なサインです。
下地が健全なうちにカバー工法を行うことで、
将来的な大規模修繕を防ぐことができます。
⸻
② 外壁のチョーキングは劣化の目安
外壁を触ったときに白い粉が付く現象(チョーキング)は、
塗膜が劣化しているサインです。
防水性が落ち始めているため、塗り替えの検討時期といえます。
⸻
③ 相見積もりでも「説明の納得感」が決め手になる
今回は、価格面では他社の方が安い提案もありましたが、
工事内容の説明や不安点への対応が決め手となり、ご契約をいただきました。
⸻
まとめ
築20年前後の住宅では、
• 屋根
• 外壁
• 木部・バルコニー
をまとめて点検・計画的にメンテナンスすることで、
将来の修繕コストを抑えることができます。
「今すぐ全部やる必要があるのか?」
「優先順位はどこか?」
といったご相談も含め、
状況に合わせたご提案が可能です。
築20年は「劣化が表に出始めるタイミング」
築20年前後の住宅は、
家の性能が一気に落ち始める時期でもあります。
• 新築時の防水性能が徐々に低下
• 紫外線・雨風の蓄積ダメージが表面化
• 「壊れてはいないが、万全でもない」状態
この段階で適切なメンテナンスを行えるかどうかで、
30年目・40年目の修繕費が大きく変わります。
⸻
屋根を「カバー工法」で行った理由

参考写真☝
今回の屋根は割れが見られましたが、
下地(野地板)には大きな傷みがありませんでした。
この状態であれば、
• 既存屋根を撤去せず
• 新しい防水層(ルーフィング)を全面施工し

参考写真☝
• その上から新しい屋根材を被せる
カバー工法(重ね葺き)が最も合理的です。
撤去を伴う葺き替えと比べて、
• 工期を抑えられる
• 廃材が少ない
• 費用をコントロールしやすい
というメリットがあります。
⸻
外壁塗装は「屋根と同時」が合理的


外壁については、
「今すぐやらなければ危険」という状態ではありませんでした。
しかし、
• チョーキングが発生している
• 足場が必要な工事が屋根で発生する
この2点を踏まえると、
屋根工事と同時に塗装を行う方が、長期的には合理的です。
もし外壁だけを数年後に行う場合、
• 再度足場を組む費用が発生
• トータルコストが高くなる
というケースが多いためです。
⸻
木製バルコニーや木部は、
• 腐ってから直す
• ぐらついてから交換する
となると、補修費用が一気に跳ね上がります。
今回は、
• 表面劣化の段階
• 構造的な問題が出る前
だったため、
木部保護塗料によるメンテナンスで対応しました。
これは、
「交換」ではなく
**「寿命を延ばすための予防的な工事」**です。
⸻
相見積もりで大切なのは「内容を理解できるか」
今回のお客様は、価格だけを見ると
他社の方が安い提案もありました。
しかし、
• なぜその工事が必要なのか
• 省かれている内容は何か
• 将来どんな影響があるのか
といった点を確認する中で、
説明の分かりやすさ・納得感を重視されました。
リフォーム工事は、
「安い=正解」ではありません。
中身が分からない工事ほど、不安が残る
ということを、改めて感じたケースでした。
⸻
最後に|築20年住宅のメンテナンスで大切な考え方
築20年の住宅では、
• すべてを一度にやる必要はない
• しかし「何もしない」のもリスクがある
という、判断が難しい時期に入っています。
だからこそ、
• 現状を正しく把握する
• 優先順位を整理する
• 将来を見据えて工事内容を選ぶ
ことが重要です。
今回の工事では、
「今やるべきこと」と「抑えられること」を分けて考え、
無理のない形で外装全体を整える ことを重視しました。